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音楽評論家、ミュージシャン、DJ、占い師:鳥井賀句の日々徒然のブログ
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1月10日(木)
★新春初仕事は、渋谷で占いの仕事。去年占ったことのある70歳のクラシック音楽家のEさんからの依頼で、彼と彼の長年の女友達との関係を占う。Eさんは去年初めて占ってから、ボクの占いをよくあたると絶賛、それ以後自分の友だちや兄弟などを、定期的に紹介してくださる。このように喜んでいただけると、自分の占いも世の中の人の人生に役立っているんだなと思えて、とても嬉しい。

★木曜日の深夜に「トシガイ」という番組をやっている。これは毎回一人のタレントや文化人を選んで、その人の年齢に1万円をかけた金額を渡し、その金額をぴったり使ってその人が自分の人生のために役に立つ本当に欲しいものを買ってもらうという企画だ。今まで女優の菊川礼がずっと弾きたかったピアノを買ったり、チョイ悪オヤジ・ファッションでおなじみのジローラモがカヤック(カヌーみたいなボート)を買ったりしていた。今夜はTVでもよく見る脳科学者の茂木健一郎が出ていた。この人、科学者なんだが、尾崎豊の歌は全曲歌えるとか言ってて、ちょっと面白い奴だなと思っていたが、彼の趣味は、いわゆる「書画」で、夏目漱石の「書」を180万円で買ったりと、かなり風流なものだという。彼の年齢分の45万円が番組から渡されたが、それで何を買うのかと興味深く見ていたら、その使い方が実に「粋」でかっこよかったのには感激した。
 彼には昔から仲間とよく通っていた「魚徳」という、最高に美味いあんこう鍋を食わせる店があった。常連でそこの大将とも懇意にしていたが、数年前に経営難でその「魚徳」は店を閉め、大将の行方もわからなくなった。それでこの企画がTVから来た時、彼は、今はひっそりと小さな洋食屋を営む大将の所在をつき止め、その店を1日だけ借り切って、自分の親しい仲間や世話になった人など、十数人を集めて、往年の「魚徳」を再現し、あのあんこう鍋を喰う会を開催させたのである。茂木氏はその日のために7万円で杉板の素晴らしい「魚徳」の看板を作らせ、残りの38万円で店を借りきり、十数人の仲間に最高のあんこう鍋をたらふくふるまったのである。
 あんこうさばき名人の大将に、久しぶりにあんこうをさばく機会を与え、仲間たちにもその美味さを分かち合うという、これぞ実に「粋」といわずして、なんと言うか。その1日のために45万円をパッと使い切るかっこよさは、まあ生活に余裕があればこそだろうが、このようなあぶく銭は一晩でパッと使いきってしまうという、潔さと、そのかっこよさにやられた。久々に「粋」な男を見た思いがした。茂木健一郎というこの人、ボクの中ではずっと記憶に残る「カッコイイ男」のひとりとなった。
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鳥井賀句